優しい風の音

優しい風の音。

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フィクションです。

ワンピース

1部「エイルの海賊王・ルフィの生い立ち」

アフリカ北西部、ソマリアの地にアブドラ・D・ルフィという少年がいた。幼いころに両親を失い、やがて貧困の中で海賊行為で生計を立てるようになる。彼が所属した海賊集団の構成員は皆麦わら帽子をかぶっていたため、「麦わららの集団」と呼ばれていた。

海賊集団の首領はのちにアデン湾米軍艦撃沈事件の主犯として米軍に殺害されたことで知られる、ムハンマド・チョッパーであった。チョッパーとルフィは早々に意気投合し、ルフィがチョッパーの右腕となった。


2部「ソマリア海賊抗争記~ルフィ、アデン湾を統べよ!~」

ルフィ加入からしばらくしたころ、彼が編み出した「アデン湾の群狼」戦法により、「麦わら」は圧倒的な収入を得た。これを元に武器や船舶を買いあさり、買収、暗殺、略奪などあらゆる悪逆によって「麦わら」は実質的にプントランドにおいて独占的に海賊行為を行う主体となっていった。


3部「アラブの武器、中国の船体、日本のエンジン アフリカの角ビスマルク・ルフィ」

ソマリア沖の安全な航行を脅かされた各国は、「麦わら」掃討に乗り出した。米ソのみならず、中国や英国、ドイツや日本などの大国が近隣のジブチなどに基地を設け、「麦わら」を攻撃した。しかしながら、時は大冷戦時代。敵対国のプレゼンス拡大を阻止する目論見や、近隣湾岸諸国の政商が利益を狙う動きがあった。

当初、「麦わら」は前述の米軍艦撃沈事件を起こすなど強硬路線を取ったが、チョッパーの死とルフィの実権掌握以降、方針が変わった。ルフィは情勢を読み、巧みに軍事支援を取り付けた。そして、ついに各国からの援助と引き換えに、紅海・アデン湾航行の安全を保障する「アブダビ合意」に至ったのである。

 

4部「プントランドの生存圏 第二次オガデン戦争とルフィ独裁政権

ルフィはアブダビ合意の功績をもとに、プントランド自治政府の大統領選挙に立候補、快勝する。彼は先進各国の資金援助をもとに陸軍を再建し、ソマリア統一を狙った。この際、敵対勢力を即時に攻撃するのではなく、隣国エチオピアへの報復戦争に勝利してソマリ人ナショナリズムを促進する方法を採った。これが第二次オガデン戦争である。

混乱期にあったエチオピア軍はルフィの攻撃に対応できぬまま敗走を続け、東部領土の割譲を認めて降伏した。ルフィがこれを受けて各勢力に統合を呼び掛けると、各勢力は市民の声に押されて恭順した。久方ぶりにソマリアが統一された瞬間であった。

その後、ルフィは統一後の国家再建を名目に権威主義的性格をさらに強める。反対派の殺害、農産物の収奪などを通して、軍を基盤とした体制を強化した。


5部「ルフィのディアドコイたち 明日のソマリアは誰の手に」

ルフィは統一から17年後の夏にこの世を去った。この後に政権をめぐる内戦が起こる。3派に分かれ、5年に渡って苛烈な戦闘・人道危機が続いたが、最終的にはアイユーブ・ウソップが勝利した。


6部「混沌の末に 秩序・民主化・アフリカの奇跡」

内戦やウソップ政権下の人権侵害を経て、ソマリアは再び無政府状態に陥るかに思われたが、希望は失われていなかった。ウソップ政権下のソマリアでは、沿岸部の漁民や水兵を中心に外国との接触が増え、民主化への要望が高まっていった。地下運動が徐々に活発化したが、最終的にはファーティマ・ナミがモガディシュで設立した統一ソマリア民主連盟に結集する。そして、ソマリア革命が起こった。あまりの傍若無人ぶりから、ウソップは陸軍すらも統制できず、早々にジブチに亡命してしまう。そして、ナミは女性初のソマリア大統領に就任した。

その後のソマリアは国際社会の支援により急速に復興。ケニアエチオピアなどとの歴史的な和解を経て、サハラ以南アフリカで最も豊かな国と言われて久しい。