優しい風の音

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ポリフォニック旧東側政治の試み1;バイコヌールの大統領選挙結果は大して面白くない

ポリフォニック旧東側政治の試み1

バイコヌールの大統領選挙結果は大して面白くない

楽しいことがしたい、ということで露政のことを考えてみる。

できれば、旧ソ連諸国等の政治についてのしょうもない話をちまちま書いていくシリーズにしたい。

機械翻訳に頼りまくっているので、その程度のものと捉えていただければ幸い。

 

はじめに

以前から、ロシアの全連邦選挙の結果にバイコヌール市選挙区(正確にはロシア連邦の領土外に)が表示されていることが気になっていた。

ご存知の通り、バイコヌール市はロシア連邦の隣国であるところのカザフスタン共和国という独立国家の中にありながら、ロシア連邦が租借している(行政権を持つ)都市である。もちろん、その背景にはバイコヌール宇宙基地の存在がある。

そして、中央選挙管理委員会が公表する選挙結果では、このバイコヌール市の結果が他の連邦構成主体と別に示されている。租借地はいずれの連邦構成主体にも属さないであろうから、それ自体は納得できるが、日本で生まれ育った人間には新鮮に映った。

国家に大きく依存するであろう航空産業を要する一方で、若者が去っているというバイコヌール市*1。ここではどのような選挙結果が見られるのであろうか。今回はこれを見ていく。

なお、先に申し上げてしまうと、別に全連邦の結果と変わり映えのない結果で、大して面白くはなかった。

ソース・対象となる選挙

ロシアの選挙結果は中央選挙管理委員会のWebサイトから入手できる*2

観察の対象とする選挙は2008年・2012年・2018年のロシア連邦大統領選挙である。理由は、それ以前の結果を探すのが面倒になったからである。これらの選挙では、いずれも統一ロシアの候補であるメドヴェージェフ(2008年)・プーチン(2012年・2018年)が勝利した*3

選挙結果を見る

それでは、まず2008年の選挙結果を見ていこう。なお、ここで言う絶対得票率は全有権者に対する各候補者の得票割合、相対得票率は得票数が公表された候補の全得票の合計に対する各候補者の得票割合である。多分、適切な表し方ではないが、ご愛嬌ということで。また、「B」はバイコヌール市のことを表す。

なお、自己推薦扱いのボグダーノフはロシア民主党の党員であった。

以下が結果表である。

2008年選挙結果

結果を見ると、大体10%pほどメドヴェージェフの得票率が高いくらいしか言うことがない。そして、この傾向はほかの回でも同様である。

 

次の表が2012年選挙の結果表である。

2012年選挙結果

先述の通り、プーチンの得票がいくらか高い程度である。

 

2018年の表も。

2018年選挙結果

なんだか少しプーチンの優位性が薄れたくらいであろうか。

 

ということで、2018年選挙まででは、大して面白い様子は掴めなかった。幾分か統一ロシアの得票率が高く見える程度である(統計的に有意な差かを検証するのは面倒だし正しくできるか怪しいので、またこんど)。もちろん、全連邦での得票率とのスプレッドは縮小しつつあるようなので、今後の結果次第では面白くなるのかもしれない。それと、2004年以降。

お気持ち

  • バイコヌール市の有権者数は、2008年に16239人だったものが、2012年に15116人、2018年に14575人と順調に減っており、なんとなく悲しい。
  • バイコヌールで統一ロシア候補が人気のようであるのは、やはり宇宙産業が官製産業に近いゆえなのであろうか。
  • 2018年はやたらと選管公認候補が増えているが、これは何か。
  • ジリノーフスキーは毎度元気に大統領選挙に出るし、毎度元気に右派っぽい発言をしていたように思うが、亡くなっちゃったね、というやつ。
  • ロシア共産主義者とかいう謎政党、毎回笑ってしまう。
  • この程度の手抜き記事ですら、書くのはかなり面倒。

 

 

*1:たとえば次のリンクを参照。

www.afpbb.com

 

*2:以下に示すリンクを参照。

http://www.izbirkom.ru/region/izbirkom

 

*3:正確には、なぜか2018年選挙でのプーチンは自己推薦扱いになっている。